1af90ca4.JPG石見銀山の朝日庵にて蕎麦。写真は2色そば。生粉打ちと二八だ。
正直、期待していなかったのだけれど、期待に反して美味かった。勿論、生粉打ちのほうが美味しかったのは言うまでもない。

その店のテーブルには、旅人の感想を記すことが出来る雑記帳のようなノートが置いてある。大概は「おしかったで〜す」とか「来てよかった〜」のようなことが書いてあるのだけれど、一人だけ、この店をこき下ろすような事を書いているひとがいた。

「世の名店には3たてを売りにしている店もあるのに、そばを湯がいて出すだけにこんなに時間が掛かるのは、仕事が遅いからだ。いちいち「注文をもらってから作るので時間が掛かるのでご了承おき下さい」などと表記するな」
「そばはまだしも、ツユは最悪」
「このようなレベルが低い店が名店ぶっているのは可笑しい」
という内容だったと思う。

ケツの穴が小さいというか、自分のレベルの低さを棚に上げて、自分の不満を雑記帳に書きなぐるというのは、非常に最低な行為だと思う。このノートを読んだ人のほとんどが不愉快に感じるだろう。店にこのような形で足跡を残すのは、一生懸命そばを作っている店の人や、立ち寄った他のお客様に失礼だ。

しかし、このページを切り取らずにそのままにしておく店の姿勢と(店の人から赤いボールペンで「申し訳ございません」のコメントが入っていた)、この文章の中の「そばはまだしも…」のくだりの中で、逆に「あ、結構期待できるかも」と思ってしまったのだ。

第一、ツユがどんなに美味くたって、肝心のそばがまずけりゃどうにもカバーのしようが無いからだ。ツユが多少まずくても、そばが美味ければ何とかなる。これホントのことだ。
特に朝日庵のツユに対し、大きな不満は感じなかった。

すっかりくつろいで満足した我々は、再び散策を続けた。

島根県大田市