最近、線路への置き自転車の事件の報道が多い。
可部線という近所の線路でも頻発していたが、現在は、関東や関西の私鉄にも及んでいるという。

例えば、東京のJR中央線は、一時期ホームから転落する人の人身事故が絶えなかったことがある。ホームから人が溢れるくらい東京のラッシュは壮絶な混雑なのだ。
(JR東海の新幹線ホームには柵がある。これも同様の理由だ。ホームから溢れるくらいの混雑は日常茶飯事だ。)
これらの人身事故から、通勤電車の先頭には排障器(スカート)が取り付けられるようになった。以前は通勤電車にはスカートは付いていなかったが。これは人の命を守るというよりは、列車のダイヤを守る(巻き込みによる事故処理の長時間化を防ぐ)意味合いでの話。

置き自転車の場合も、だいたいは排障器に当たるだろう。しかし、もし当たらずに巻き込んでしまった場合、そして電車が脱線する事態になった場合、ほとんどの方はご存知だろうが、物凄い損害賠償金になる。
何せ電車は1両あたり1億円以上する。それが2両脱線すれば2億円だ。それに事故の復旧作業費。線路やその他鉄道設備の補修費。線路の外に車両が出て何かを損壊すればその費用。それに当該列車と後続列車の乗客の遅延損害費など。
仮に、死傷者が出なかったとしても、かなりの損害賠償金になるのだ。

排障器に当たったとしても・・・、飛ばされた自転車による2次災害を考えたら恐ろしい。突起がある金属の塊がイキナリ予期せぬ方向から飛んでくるのだ。

置き石にせよ、置き自転車にせよ、公共交通機関の運行を故意に妨害し、多くの善良な国民の生命を危機に陥れる行為ということで、社会的責任は非常に重い。現在の鉄道システムでは踏切が存在するし、路面電車のような併用軌道もあることから、人間が容易に線路内に入れるようになっている。なので、完全に人の侵入を防止することは難しい。要は、道徳に任せるしかないのだ。

月曜の朝からこんな文章を書いてしまった。
嫌な世の中だ。