89363cc4.JPG延期になっていたクイーン+ポール・ロジャースの日本公演のDVDがようやく発売された。以前からこのblogにも書いていた通り、このDVDは2005年10月27日のさいたまスーパーアリーナの公演を収録したもので、まさに我々が見に行ったライブだ。年末にデジタル放送で放送されたのだが、一般庶民の我々は見ることが出来なかった。
そして、このDVD、当初は3月に発売予定だったので、今回は待ちに待った発売となった。

これはじっくりと最初から最後まで正座して(嘘です)見なくてはなるまいということで、昨日の午前中時間を作って見ることにした。
内容は、まさに現地で見たとおりなんだけれど、以前より発売されていた「RETURN OF THE CHAMPIONS」(5月9日の英シェフィールド公演)に比べて、演奏そのものに余裕があるのと、音の処理がソリッドで、個人的には日本公演のDVDのほうが好きだ。(勿論、自分が見に行ったという感情移入もあるけれど)

コンサート当日は、何台ものカメラ+クレーンが動き回り、邪魔だったのは間違いない。特に、ロジャーがドラムを叩く姿は、ほとんど生で見ることが出来なかった。しかし、それもこれもこのDVDを製作するためと思えば全てが帳消しだ。

そして、このDVDを見て改めて思ったこと。それは「やっぱりコンサートを見に行って良かった」だ。美しい舞台効果なども含めた会場の雰囲気はDVDでは伝わらないのだ。特に、「Last Horizon」の時に、ブライアンの頭上でミラーボールが光るシーン。これは会場では鳥肌が立つほど美しかったけど、DVDでは伝えることができない。実は、ラッキーなことに過去に行った1982年の西武球場も、1985年の代々木第一体育館もビデオが発売されている。思い出せばこの時もそう思ったものだ。

しかし、そのあたりを差し引いても素晴らしいDVDだ。日本向けのボーナストラック(?)もしっかりと収録されているし、既に「RETURN OF THE CHAMPIONS」を持っている方にも大いにオススメできる。クイーン+ポールロジャースのメンバー達は、素晴らしい公演の他に、もうひとつ最高の置き土産をしてくれた。

このDVDを、20年前の自分がタイムマシンで現世にやってきて見たとしたらどうだろうか。歳をとってブヨブヨに太ったロジャーとブライアン。ジョンは居ない。そして何よりフロントで歌っているのがフレディーでなくポール・ロジャースなのだ。たぶん拒絶反応を示すだろうな。(というよりフレディーの死を受け入れられるかどうかもあるけれど)
しかし、この20年、自らもロジャーやブライアンと一緒に歳を重ねてきた。勿論、同様に体重も増えた(笑)。何よりダメダメ学生だった自分が、何とか社会人として生きているのだ。そういう思いから今回の「+ポール・ロジャース」というのを受け入れることができるのだと思う。

そんなことをこのDVDを見ながら考えていた。