フリーにはまっているから書くわけではないが、最近、○○フリーという言葉を良く聞くようになった。鉛が入っていないハンダは鉛フリーハンダ(厳密に言うと微量の鉛が含まれることもある)だし、カミさんが以前買ったNIKEのヨガマットはPVCフリーだという。

最近は環境問題が騒がれており、数年前からゴミの分別も進んできたし、リサイクルできるものはリサイクルして、有害な物質を地球に廃棄しないようにしようというのは一般的になった。しかし、これを更に推し進めて、モノを作る段階から有害物質を含まないようにしようという考え方。これが急速に押し寄せて来ようとしているのだ。モノは買って使えば必ず捨てる。要はモノを使って捨てる側でなく、モノを作る製造元側に責任をもたせるのだ。この考え方はPL法に似ている。

難しいことを書き出すと面倒になるが、電気製品や自動車は、特に対応を急がれている。急がれているという言い方は、これらは欧州主導の考え方だからだ。そして欧州に対して輸出をしている日本側も対応をせざるを得ないというところなのだ。理不尽といえば理不尽だが「地球環境」との問題となれば無視できないのが現実だろう。

キャンプ道具に興味がある方ならPVCという素材は知っていると思う。PVCとはポリ塩化ビニルの略称で、所謂塩ビというやつだ。キャンプ道具以外にも、電線の被膜や家庭用のラップなど、その優れた特性から、世の中のありとあらゆるものに使用されている。

塩ビ(ポリ塩化ビニル)そのものは安定な物質で有害では無い。かなり世の中の誤解も多いようだ。ただ専門的なことを解りやすく言えば、PVCの構造式に近いもの(ハロゲン化アルキル)は、発ガン性物質もあったり有害物質が非常に多い。例えば塩ビモノマーは有害物質だ。だからと言って塩ビ(ポリ塩化ビニル)からそれらの有害物質を合成するのは難しいのだが。
それよりも塩ビに含まれる添加物に有害なものが含まれるケースが多いことが問題となっている。廃棄やリサイクルするのにも、塩ビとポリエチレンなどを区別するのは大変だ。なのでこれも製品を製造する段階でPVCを規制しようという考え方だ。

欧州では既にPVCフリーを謳っているし、PVCフリーでネットで検索してみると多くのサイトがヒットする。このような状況で、これから日本のアウトドアメーカーはどうしていくのか。追従するかそれとも対岸の火事として放っておくか。

かく言う私めもPVCを使っているアウトドア用品を多く使っている。最近買って重宝している、2006年発売スノーピークのギアコンテナも底部がPVCだし、小川キャンパルのティエラのインナー底部はPVCだ。この間カビが生えて捨てたスノーピークのマルチコンテナも底部はPVCだ。

代替はEVA(エチレンビニルアセテート)あたりか。コールマン・ジャパンが2005年からテントのインナーマットで既に採用している。勿論EVAが絶対とは言えないだろうし、PVCを使用することが悪だとも言えないだろうけど。

今年の新製品はどうなるのだろうか。楽しみだ。