備北ここ備北オートビレッジは、国営備北丘陵公園の中にある。
広島県下随一の設備と人気を誇り、ハイ・シーズンは予約が取りにくいキャンプ場として非常に有名だ。
キチっと区分けされた芝生のサイトは、広さも隣のサイトとの距離も充分で、水はけも良好だ。流し台も各オートサイトに装備されている。それとは別にしっかりとした炊事棟もあり、そこではいつでも蛇口からお湯が出る。温水が出るシャワールームもある。
コテージも2種類準備されており、ヨーロピアンリゾート風の管理棟には、売店やレンタル用品・レンタサイクルがあり、お風呂・トイレと、まさに至れり尽くせりなのだ。
しかも備北丘陵公園があるので、子供たちの遊び場も事欠かない。

まさに夢のようなキャンプ場。「こんなオートキャンプ場があったらなあ…」、というのを体現したオートキャンプ場なのだろう。
今回も会社の同僚達と合同キャンプだ。
約1年前もここに来た。「約」というのは、本当は来週にあたる週末を予約したかったのだけれど、それが出来なかったのだ。来週の週末は予約受付と同時に満員となってしまったらしい。本当に予約を取るのが難しいキャンプ場なのだ。
そして、1週間前にあたる、この週末に行くことになったのだが…、

この週末は、セットストック07という野外ライブが備北丘陵公園で開催されることになっていた。
それは解っていたことだし、ある程度の覚悟は出来てはいたのだが…、

オートキャンプ場までもライブの音は響いてくる。ま、これも「やってるな」程度のもので、ウルフルズなんかが聞こえてきたときは、少し得した気分にもなったものだ。

…問題は夜だった。

近くのコテージは、前夜からPA(音響)のスタッフが「タコ部屋」のような形で利用していた(車に書いてあった会社名でそれと解った)。
そして、夜11時過ぎには、スタッフの送迎用のバンが人員をピストン輸送する。
そのバンがコテージにけたたましい音を立ててやってくる。
「ブルルルー(エンジン音)」
「バタン!(ドアの音)」
「お疲れ様でした」「お疲れ様でした」
「シャワーあっちにあるし」
なんて会話が、屋外の静寂を破って深夜に繰り返される。

ああ、うるさい!

スタッフの人たちも疲れているだろうし、大変なのは解る。ある程度これは仕方ないなと思ったけど、思ったけど、良く良く考えてみると…、
こういうコテージは、スタッフの方に供出するのではなく、セットストックを見に来るお客さんに、あるいは、セットストックとは全く関係のない、夏休みの週末のバカンスに来るお客さんに開放するべきではないのか?
要は、このコテージだって、夏休みに予約を取るのは大変なのだ。それをセットストックのスタッフ用に確保したということなのだろう。そう考えると非常に残念だ。

そういえば来週は、別のイベントがあるらしい。このイベントの分を確保したおかげで来週の予約が取れなかったのかな?

そしてそして、カーサイトに泊まったお客の一部は、夜中にお約束の大宴会
コンサートを見て気分が開放的になったのだろう。大宴会は深夜1時半頃まで延々と続き、我々の睡眠時間を奪ってくれた。

ここで問題なのは、確かに大宴会をやったお客も悪いが、やはりキャンプ場の運営そのものだろう。
確かに、昼間は巡視のバイクが場内を回っているし、場内の至る所に「22時〜7時は静粛時間なので…」と書いてある。

しかし、夜は巡視も無いし、全くの野放し状態なのだ。
これではマナーは守られまい…。

ブルーベリー土曜日の午前中は、昨年に続いて、大鬼谷に行った。涼しい大鬼谷で冷たい川の水に入らせてもらって「大鬼谷の空気」を吸って少し生き返った気分になった。
りんごジュースとりんごワインと板氷と青才りんご園のブルーベリー(写真・メチャクチャ美味しい)を購入し、たかの温泉神の瀬の湯で温泉に入り、はしなかやで飲み物を購入した。
「やっぱり大鬼谷はいいなあ」なんて言いながら昼には備北に帰った。

帰ったら備北は晴れて灼熱地獄だった。ここは盆地なので夏は非常に暑いのだ。特に丘の上にあるオートサイトは風が抜けないせいか、特に暑い。
暑い中やることも無いし、金曜日の大雨の中の設営と寝不足で体力も消耗していたので、途中からエアコンが効いた管理棟に行って、アイスクリームを食べながら、管理棟にあるソファーで新聞や本を読んでいた。う〜ん極楽。

同僚の家族達と一緒に遊んだり、食事の時間は非常に楽しかったし、予約を取ってくれた幹事さんに感謝しているけれど…。

県下随一の人気と設備を誇る備北オートビレッジだが、実態はこんなものだ。
今回はセットストックがあったからという意見もあるだろう。
しかし、夜間うるさいのは、今回が初めてではない。以前もずいぶん遅くまでうるさい団体もいたし、サイトを平気で横切る大人(子供ではなく)も多かった。

結局、ハードウエアは最高だが、その運営や、来られているキャンパーのマナーは最低ということだ。

でも、ほかのキャンプ場はもっと酷いのだろうか。キャンプというのは「そういうもの」なのだろうか。

いつも行っている大鬼谷だって、時にマナーの悪い方は居る。もちろん嫌な思いをしたことが無いわけではない。しかし大鬼谷にはそれを忘れさせてくれる自然の美しさがある。川のせせらぎの音や、虫や小鳥の声は、細かい音をかき消してくれる。
そして、そういったマナーの悪い方は、大鬼谷で楽しむことは出来ないだろうし、大鬼谷がつまらない場所に感じるだろう。そういう雰囲気があるような気がする。

我々は、やはり大鬼谷でしかキャンプが出来ないのだろうか。というか、大鬼谷に行きたいのだろう。

次の大鬼谷を楽しみにすることにしたい。

小雨の中撤収して、家に着いたのは日曜日の昼2時過ぎ。
荷物を下ろすのも後回しにして6時までベッドの上で爆睡した。