ベストオブドアーズ先日発売されたリミックス版を聞いていたら、オリジナル版が聞きたくなった。なので「ベスト・オブ・ドアーズ」を引っ張り出して聴いた。
とはいえ、これもリミックス版なのだけれど、音はオリジナル盤に近いししかも音質がいい。

またお断りをしなくてはならない。私めは熱狂的なドアーズのファンではない。でも、初期の作品は比較的良く聞いたし、このベスト版は何度も何度も聴いた。

ドアーズは1960年代後半のアメリカのロックバンドだ。1967年にデビュー。サイケデリックブームに乗って何曲かヒットを飛ばしたし、全米No.1ヒットもあるが、ボーカルのジム・モリソンが1971年に死去。輝いていたのは本当にたった数年の間なのだ。
なので、確かに活動期間からしてヒット曲の数やチャートアクションは、ビートルズやストーンズなどと比べてしまうと確かに地味であるが、ビートルズやストーンズと同じく、現在でも確固たるファン層がいるのだ。

ボーカルのジム・モリソンは、とてもここでは書きづらいような猥褻な事件を起こしたり、歌詞の内容も性的な描写やドラッグを連想させるような描写も多く、テレビ番組も出演取りやめ、コンサートもできないような状態になってしまった。
それでも歴史に埋もれずに来たのは、やはり楽曲やサウンドがすばらしかったからだろう。バンドにベーシストがおらず、ベース音はキーボードのレイ・マンザレクの左手だ。それが少しスカスカな印象を与えることもあるのだけれど、逆にそれが大きな個性となっているし、メンバーの技量も大したものだ。そしてカリスマ性があるジム・モリソンの歌は、非常に存在感があるし、良く聞くと非常に歌唱力に優れていることがわかる。

今でも「ブレイク・オン・スルー」や「ハートに火をつけて」「まぼろしの世界」などの有名な曲は耳にする機会も多い。「ハートに火をつけて」においてのレイ・マンザレクのオルガンプレイはグイグイ引き込まれるものがあるし、「水晶の舟」や「ライダー・オン・ストーム」「音楽が終わったら」などの各曲が無性に聴きたくなるときがある。

リザードキングの墓ドアーズを聴くようになったきっかけといえば、やはりロッキング・オンなのだろう。
この本は1989年に発行された「リザードキングの墓」という松村雄策の短編集で、ロッキング・オンやすばる、マリ・クレールなどに掲載されたエッセイをまとめたものだ。これの最後に「リザードキングの墓」というタイトル、パリにあるジム・モリソンの墓を訪れたときのエッセイがある。
ロックスターとして人生を駆け抜け27歳で死んだジム・モリソンに対し、駆け抜けることができずに生き続けている中年男性の心情が描かれている。
私めもロックを聴きながら、営んでいる人生はすっかり安定志向だったりする。所詮ロックなんて金儲けの商業音楽なのだから、結局はみんなそうなのかもしれない。

ふと、思った。自分がフレディ・マーキュリーの墓を訪れたら…。

フレディは45歳で死んだ。とりあえず45歳を目指そう。