3a52e499.jpg名古屋に出張だった。
名古屋には少し思い出がある。写真のツインタワーはまだ工事中だった頃の話だ・・・。

会社に入って2年目の秋、すなわち1994年の秋。
学生時代の友人から「F1のチケットを入手できるけど行かないか」と誘いがあったのだ。その少し前のF1人気絶頂期に一度見に行っていたので、生でF1を見ることの楽しさを知っていたこともあり、誘いに乗って行くことにした。
ホテル確保に苦心したが、何とか名古屋駅近くのホテルを確保した。名古屋から鈴鹿(白子駅)まで近鉄で1時間くらいだ(特急で40分)。白子駅から鈴鹿サーキットまで歩いて一時間。

金曜日の予選初日から、ひとりで観戦した(その友人は金土の休みが取れなかった)。
金曜日の予選初日が人も少なくてノンビリとしていてまたいいのだ。天気が良ければ、空き時間はビール飲みながら観覧席(長いすのベンチ)で昼寝。これが最高!
そして、なんとその金曜日に鈴鹿サーキットで中学時代の友人とバッタリ。
「おお!!」
その晩は名古屋で飲みに行くことに。栄をブラブラして適当な店に入った。

そして土曜日の晩は、一緒に誘ってくれた友人と飲みに行った。名古屋に土地勘がある友人が連れていってくれた店は、ホテルの近くのしゃぶしゃぶ食べ放題飲み放題の店。そんなに飲める奴ではなかったが、私めに気を使ってくれたのだろう。

次の日曜日、すなわち決勝は、バケツを引っくり返したような大雨だった。その時に着ていたモンベルの雨ガッパ(何も知らずに買ったらモンベルだった)は、今でも毎朝のウオーキングウエアとして活躍している。

そのF1の数ヵ月後、今度は名古屋に出張があった。その時は、高校も一緒で大学も同じで同じように留年して、しかも研究室まで一緒だった元ヤンっぽい友人が、名古屋に引っ越していたので泊めてもらうことに。その晩は飲みに出た。

当初、栄に出たのだが、
「・・・確か以前泊まったホテルの横に、しゃぶしゃぶ食べ放題飲み放題の店があったなあ・・・」
とボソっと言ったら、
「えー、最近しゃぶしゃぶなんて食べてないよ〜、そこ行こうよ〜」と懇願された。
元ヤンっぽい風貌から、いきなりナヨナヨと懇願されると、それはそれでナカナカ迫力がある。
そうか、慣れない土地の一人暮らしでへこんでいるのだな。

ということで、賑やかな栄の街を後にして、寂しい名駅にあるその店に向かった。

飲み放題食べ放題ということで、威勢良く肉とビールを持ってくる。
価格設定も、生ビール中ジョッキ6杯分くらいだった。それで食べ放題飲み放題なのだ!
間違いなくビールだけで元は取っている。いや、あっさり超過している。

何と言っても二人ともまだ20代半ば。
研究室時代は、飲みに行くと高いから、毎晩教授が帰ると同時に酒屋でビールを買ってきて、ガブガブ際限無く飲みまくっていた仲間だ。そりゃ飲む量も尋常ではない。
食べる方も、まだ「質より量」の理論が通った頃だ。
スパゲッティなら一人300gは当たり前。3人分茹でる時は500gのパックを2つ。ラーメンだって普通に2玉。それでも足らない。
今では考えられないけど。
食べ放題の店は、最初はマアマアのものが出てきて、途中から質を落としたりするのは、良く聞く話なんだけど、威勢良く飲み食いしているうちに、店員にも異変が訪れた。

「お兄さん、ビール!」
最初は直ぐに持ってきていたのだが、ナカナカ持ってこなくなった。

「肉持ってきて!」
「ハイハイ、順番がありますからね」
とか言いながら、わざとらしく時間稼ぎをしたあげく、途中からは凍った肉を持ってくるようになった。

「ゲ、まじかよ」
と思ったが、向かいに座っている元ヤン君は、凍った肉を嬉しそうに剥がしてドボドボと鍋に投入している。鍋からは「泡のようなもの」が発生し、不安が募る。
でも元ヤン君は、
「う〜ん、うまい♪」
「肉なんて最近食ってないからなあ〜♪♪」
と、ご満悦そうだ。

良かった良かった。モチロン私めもその肉をビールで胃に流し込んだ。こっちも気分が良くなった。もう鍋の中のダシは濁って底が見えない・・・。

帰り際、A千円+消費税を支払った。そういえば「ありがとうございました」も言われなかったっけな。そりゃそうだ。「お客様は神様」でも、我々はどう考えても「貧乏神」か「疫病神」だし(笑)。

その後、元ヤン君の家に帰って飲み直した。

それ以来、名古屋に来ると、その壮絶な「しゃぶしゃぶ食べ放題飲み放題」を思い出す。

・・・・・
昨晩、13年前と同じホテルに泊まった。部屋は狭く古い作りに感じた。当時はそんな感じはしなかったが、老朽化したのか、はたまた私めが歳をとり判断基準が上がったのか。

69453a14.jpgそして、その食べ放題の店の前を通った。
その店はつぶれて(そりゃつぶれるわ)シャレた飲み屋になっていた。