8296ad89.jpg実に商売がうまいロックバンドがレッド・ツェッペリンだ。
豊富にある資材を安売りせず、絶妙のタイミングで小出しにしてくる。そして、見事自分達を神格化させた結果、今の地位があると言っていいだろう。勿論、内容も実績も伴っているのだから言う事はない。

まあ、元々、ロックなんて商業音楽なのだから、冷静に考えると、こういうやり方は充分納得できるのだが。

私めはクイーンファンだけれど、じゃあ2番目は?と聞かれたら、間違いなくレッド・ツェッペリンだ。いや、もしかしたら1番かもしれない。う〜ん。

3番目以降は変動するが、この2つは不動なのだ。
1980年にバンドの核だったドラマー、ジョン・ボーナムが死んで解散した後、コーダというアルバムが発売されただけで、それ以外の露出はほとんどなし。映像も音もギチギチに管理されていた。

当時はベスト版も無ければ、ライブ版もダルイ「永遠の詩」のみ。だからファンは9種全てのアルバムを聞き、ライブはブートレグ(海賊版)に走る。多分、ブートレグの売り上げはレッド・ツェッペリンがNO.1なのではないか。音質も画質も悪いものを高い金を出して買ったものだ。(これはバンドの利益にはならないが)

ボーカルのロバート・プラントはソロ活動を始めるが、ライブでも当初はレッド・ツェッペリンの曲は演奏せず、それで観客からクレームが来ても我関せず。
ジミーペイジはつまらないサントラ1枚作ってその後はしばらく沈黙。ポール・ロジャースとスーパーグループ「ザ・ファーム」を結成し、2枚アルバムを発売するも、相性の悪さから期待ハズレに終わる。
ジョン・ポール・ジョーンズもつまらないサントラ1枚のみ。

1985年のライブ・エイド(ドラムはトニー・トンプソン+フィル・コリンズ)で一回再結成した後は、噂ばかりで全くその気配なし。
しかし、その後、世間でレッド・ツェッペリンの存在が希薄になってきたと見ると、ロバート・プラントとジミー・ペイジはそれぞれソロアルバムを発表。で、お互いのソロアルバムで競演し、ライブではそれぞれレッド・ツェッペリンの曲を演奏するようになる。しかし「天国への階段」だけは封印。
そしてアトランティック40周年コンサートで、ジョン・ボーナムの息子、ジェイソン・ボーナムを入れてまた再結成ライブ。再結成ライブの時だけは「天国への階段」を演奏する。

そして、その後計ったように解散10周年の1990年に「CD4枚組で1万円のボックスセット」のベスト盤を発売するのだ。それと同時に2枚組ベスト「リマスターズ」も発売し、微妙に曲目を変える。なのでファンは両方買わざるを得ない
また、困ったことに、1993年には4枚組ボックスセットから漏れた曲を集めた2枚組CDが発売される。余り曲とはいえ、並べてみるといい曲が揃っている。なのでファンはこれも買わざるを得ない

その後はペイジ&プラントと言った形で何枚か出して来日公演(観に行った)もする。一時的にファンは熱狂するが、飽きられたと見るとまたも沈黙。地味にソロ活動に入る。

その後もベスト版2枚を発売し、BBCライブや、レッド・ツェッペリンDVDなど、過去のライブ映像やライブ音源をチマチマと小出しにする。「早く出せよ」と言いたくなるが、それがまた全てクォリティーが高いのだからファンは買わざるを得ない
今思えば、ファンが買いまくったブートレグだって、後から出るこれらのDVDの売り上げ増にはだいぶん貢献していたのではないかと思われる。(こじつけ?)

そういえば全アルバムを高音質で収めた9枚組ボックスセットなんてのもあった。「ベスト版もいいけどやっぱりアルバム単位でも聞きたいよな」と思ったファンは買わざるを得ない

でも、それが全て戦略なのだとしたら恐ろしい。
私めは、それに、すっかり乗せられてしまっているのだ。

今回も、一夜限りのレッドツェッペリン再結成を発表。(11月26日と言われていたが、どうやら肝心のジミー・ペイジが指を怪我したらしい)
それに合わせて、この新しいベスト版と、ライブ「永遠の詩」を未発表曲も一緒にドーンと収録して発売。それも全てリマスターによって音質が格段に良くなっているのだ。ファンは買わざるを得ない

いやいや。お見事な押し引きだ。商売のタイミングというのを良く解っていらっしゃる。

しかし、何故、これだけファンは買わざるを得ないのか。
他に星の数ほどロックバンドは存在するのに、何故レッド・ツェッペリンなのか。

それは、以前も書いたけれど、レッド・ツェッペリンの音に中毒性があるからだ。麻薬(?)というか、かっぱえびせんというか。あの独特のビートやサウンドは、他に無いものなのだ。だから「替え」は無く、どうしても「レッド・ツェッペリンの音」が聞きたくなるのだ。メンバー4人のうち、誰が欠けてもこの音は出せなかっただろう。その偶然の産物である化学反応がスゴイのだ。

今回のマザー・シップ、買ったらすぐに社用車のCDプレーヤーに掛けて聞いた。しかし少し盤が厚いので、私めの社用車のCDプレーヤーと相性が悪い。一旦入れてしまうと、イジェクトしないのだ。イジェクトを押しながら、他のCDを突っ込んで押さえて・・・という職人技を使わないと出てこない。この作業はいつもヒヤヒヤだ。
それに、マザー・シップの選曲は、公平にみたら確かに「こんな感じかな?」と思うが、私めから見ると物足りないのも事実だ。

なので、ベストCDを作った。

1.Communication Breakdown
2.Babe I'm Gonna Leave You
3.Dazed And Confused
4.Whole Lotta Love
5.Heartbreaker
6.Immigrant Song
7.Since I've Been Loving You
8.Black Dog
9.Stairway To Heaven
10.Kashmir
11.Ten Years Gone*
12.Achilles Last Stand
13.Wearing And Tearing*

*の2曲はどうしても欲しかったので4枚組ベストから持ってきた。これでだいたい80分ピッタリだ。ピッタリにするためにイロイロと曲を厳選した。有名曲でもバッサリ切り捨てた。
が、これを作り終えて寝床についた後、大変なことになった。
最後に「没」にしたレヴィー・ブレイクスが激しく頭の中で鳴り始めたのだ。その後、フォー・スティックスが、カリフォルニアが・・・。おお眠れない。
・・・解った解った。俺が悪かった。

翌朝、ウォークマンにめぼしい曲をコピーした。

なので、今は通勤中も仕事中もレッド・ツェッペリン漬けなのだ。

スタジオ録音版に飽きたら、次はライブがある。
このライブも、かつてのアルバム「永遠の詩」に漏れた曲も全て収録され、音も良くなっているのだ。これもファンは買わざるを得ない

これも「永遠の詩」だけでは物足りないから、イロイロ集めて聞こう。

中毒は永遠なのだ・・・。

The poisoning remains the same.