3de6bab5.jpg私めが持っている電子ピアノは、YAMAHAのP200というやつだ。スタンド別のタイプで、スタンドは専用のものではなく、手持ちのLG-100を使った。確か当時20万円近く出して買ったものだ。当時はそういうスタンド別のタイプが少なかったし、マトモな電子ピアノはどれもそのくらいの価格だったような記憶がある。
最近は、量販店などでも随分と色々な電子ピアノが売っている。勿論、ピアノを弾くなら生ピアノ(アコスティックピアノ)に越したことはないが、手軽に音楽に親しむことが出来るということで、電子ピアノの果たした功績は大きいのだ。

私めの拙い知識を総動員して、これから電子ピアノを買おうという方に、多少なりとも役に立てそうなことを色々と書いてみようと思う。
1.音色

昔は電子ピアノというと音も良くなかった。これはシンセサイザーの技術(DX7のFM音源とかが有名だ)を利用して、ピアノと似たような音波を人工的に作り上げて出していたから、とてもじゃないけど電子ピアノの音は「ピアノ」の音ではなかった。ピアノの音色は、人工的に音波を練り上げて出来るような単純なものではないのだ。

その後、時代は流れ「サンプリング」という技術が出てくる。実際の音をデジタルで取り込んで、鍵盤を押すと取り込んだ音色で鍵盤を押した音程の音が出るとようなものだ。当初は色々な音をサンプリングできるデジタルサンプラーという形で出てきたが、その技術は瞬く間に広がり、種々の楽器音や効果音などを収録して、それを加工できるようにしたシンセ(コルグM1あたりが有名)が出てきたし、電子ピアノにも採用された。

こうなると音もそっくり。素人がパッと聞いたところでは本物と変わらない。

1990年過ぎには、ミニ鍵盤の安価なファミリー用のキーボードまでサンプリングの音が鳴るようになった。

現在の電子ピアノも、基本はサンプリングの技術を利用したものだし、今やポピュラー音楽の「ピアノの音」は、圧倒的にこの音色が多い。
勿論、細かいところでは、現在でも進化を続けているけど。

これらは電子技術だから、技術が確立して数がまとまれば、価格は安くなる。


2.鍵盤

アコスティックピアノの鍵盤は、ピアノの中のハンマーと繋がっていて、そのハンマーが弦を叩く仕掛けになっている。なので、オルガンやシンセに比べてピアノの鍵盤が重いのは周知の通り。

以前からこのあたりも、各メーカーが「ピアノと同じタッチ」を競って作ってきた。裏にダミーのハンマーをつけたり、音程によって重さを変えてみたり。押した強さによって音量だけでなく音色が変化したり。
でも、考えてみたら「ピアノと同じ」と言ったって、ピアノにだって個体差があるのだ。アップライトピアノ(良く家にあるコンパクトなピアノ)と、グランドピアノ(コンサートホールにあるデカいピアノ)だって、ハンマーの構造から違うからタッチも違うし、メーカーや機種によってもあるいは同じ機種だって、年数や手入れの仕方によって大きく変わってくるのだ。
なので「何を目指すか」によっても大きく違うし、更に言うと「どれが一番ピアノに近いですか?」なんて質問は、本末転倒なのだと思う。

ただ、やはり電子ピアノも「楽器」であることは間違いない。やはり買うなら楽器メーカーのものを選んだ方がいいだろうと思う。

しかし、楽器メーカーのものでも粗悪品はある。
鍵盤に重さを付けるためにバネを用いているものだ。ピアノの鍵盤は、ハンマーを押した後に鍵盤後部の重さで自然と戻るものなのだ。しかし、バネがついているとバネの力で強制的に戻るから、指に不要な負担を掛けることになり指にも良くないと思う。それに弾いた感触も良いものではないし。
なので、「バネ式」ではなく、ピアノの鍵盤の重さを再現したものがいいということになる。


3.ピアノ(アコスティック・ピアノ)

が、ここまで書いて何だけど、本格的にピアノに取り組む、あるいは取り組ませるのであれば、やはりアコスティックピアノなのだと思う。
電子ピアノには、必ず「同時発音数」というのが存在する。これが少ないと音がプツプツ途切れることになる。例えば同時発音数が16だと、16音が同時に鳴っている場合、17個目の音を鳴らすと、一番最初に鳴らした音が途切れることになる。指が10本しかないのに16個も音を鳴らすか??と思うだろうが、ペダルを使えばあっという間にオーバーする。また、電子ピアノによっては、デュアルモード(2つの音を重ねる)なんかがあって、そうすると同時発音数は半分になる。更に伴奏機能やらがついている場合、その伴奏で鳴っている音もその発音数に含まれる。
なので、最近のモデルは同時発音数が多くなっているのだ。
アコスティックピアノの同時発音数は88だ。88個鍵盤があって、それぞれがその音を奏でる太鼓なのだ。高い音と低い音は弦の太さも弦の数も違うから特質も違う。その、それぞれの太鼓をうまく鳴らしてあげることが重要なので、その感覚を鍛えるにはアコスティックピアノがいいことは間違いない。
更には、ハンマーの構造からグランドピアノが優れることは間違いないのだが、一般家庭に置くのは難しかろう。
最近は住宅事情→電子ピアノという選択枝も多いと思うが、これまたアコスティックピアノにも「サイレントピアノ/消音ピアノ」という技術がある。これは、サイレントモードにすると、ハンマーが弦の手前で寸止めされて音が出ない。代わりにセンサーで電子ピアノの音が出る。これならヘッドホンで練習が出来るのだ。
経済的に余裕のある方には、このサイレントピアノ/消音ピアノがお勧めなのは言うまでもない。


4.買うにあたって

なので、ピアノを買うにあたっては、最初っから本格的に(将来、音大や演奏家を目指す)ピアノをという向きには、やはりアコスティックピアノだ。が、多くの場合、そうでは無いだろう。その場合、電子ピアノという選択肢になろう。
電子ピアノの場合、鍵盤がしっかりしていることが重要だ。ファミリーキーボードやシンセは、多くの場合、オルガンのように鍵盤がスカスカだ。シンセをやるならいいが、ピアノをやるには向かない。しかし、あえて鍵盤重くしているモデルの中にバネを使っているものがあるが、それはやめたほうがいい。鍵盤を押してみたらわかる。

あと、価格も大きなファクターになってくるだろうが、高価なモデルは、それなりに理由がある。大雑把には、
仝鞍廚旅渋いかなり凝っているモデル。
音色やリズムパターンが豊富に入っているモデル。
ということになるだろうけど。但し、鍵盤や音色の基本的なところや、使用しているスピーカーなども高いモデルのほうがいい物を使っている傾向があるから、必ずしも、安いモデルがいいとは限らない。安いモデルは微妙に仕様などを落としている。

そのあたり良く検討して頂き、慎重に選んでいただければと思う。

失敗して買い換えるにも、電子ピアノは大きなものだし、廃却にも困るだろう。そういう面でも納得の一台を選ぶことは重要だと思う。