February 16, 2008

寝台特急はやぶさ号

829af9c9.jpgひょんなことで東京に日帰り出張に行くことになった。その時考えた。東京への出張も少なくなったことだし、乗れる時に乗っておこうと。
2008年3月15日のダイヤ改正でも寝台列車の一部が廃止になる。特に人気列車だった寝台急行銀河の廃止の報道は非常にショックだった。
3月15日以降も残る、唯一の九州方面の寝台特急「富士/はやぶさ」も、2009年の春に廃止が予定されている。そう聞いたら乗りたくなったのだった。


17時頃東京駅に着いた。まだ発車時刻まで時間があるので、東京駅構内でお土産やら食べ物やら飲み物やらを色々と買い込んでホームへ。
東京駅構内のショップの充実振りは凄まじいものがある。途中下車して大丸や地下街に出なくても、結構本格的な物が色々と買えるのだ。

出発唯一残った東京発のブルートレインの出発時刻は18:03だ。いやいや随分早い。広島には5:21に着いてしまう。しかしそうでなくては「対九州」を考えた場合仕方ないのだろう。これでなんとか熊本に翌日の午前中に到着するのだ。
これよりも遅くなる人は新幹線で追いかけるということになる。

東京駅は7〜10番線が東海道線ホームだ。主に7/8番線が湘南電車(言い方が古いか)で、9/10番線が主に寝台特急や伊豆方面の特急などの長距離列車や快速アクティに利用されている。そんな10番ホームの表示板も「横浜・平塚・小田原・熱海方面」となっている。まあJR東日本だから仕方ないにせよ、大阪や博多の文字がここに出てこないのは非常に寂しい気がする。

入線入線時刻は17:47。品川方面から入ってくるので入ってくる先頭、すなわち編成の後ろ側にも機関車が付いてくる。所謂プッシュプル運転で入線してくるのだ。イベントや臨時用の赤いEF65を先頭に立てて東京駅に入ってきた。携帯のカメラでブレてしまったが。

EF66+14系一番後ろ、すなわち一番前になる方にはEF66が連結されている。EF66は昭和の国鉄の傑作電気機関車で、長大な貨物列車を高速で牽引するために、当時としては破格の性能を誇った機関車なのだ。現在も現役で貨物列車を牽引している。
東海道・山陽線のブルートレインを牽引する機関車も、EF58→EF60500→EF65500→EF651100→EF66と段々と変化してきた。それは約1000キロの高速ロングランが如何に機関車にとって過酷な状況であるかを示している。
ブルートレインの編成は、高速貨物列車に比べれば軽い荷物だとはいえ、EF66も老体にムチを打って走り続けているのだろう。

10番線先端EF66の先頭部を撮影したかったが、ここから先は進入できないようになっていた。トラブルを防止するためとはいえ、少し寂しいなと思った。

ソロ客車は14系。写真はB寝台個室の車両だ。車体も腐食→塗装の跡が痛々しい。
14系は、初代ブルートレイン20系の改良版としてデビューした。車内設備としては、B寝台の幅を52cmから70cmに広げたことが大きい。これで居住性はだいぶん良くなった。それと20系は客車サービス用の電源を発生する「電源車」を有していたが、14系は発電機を床下に積んで、電源車を無くしたことが一番の特色なのだ。
が、北陸トンネルの火災から、発電機を分散して床下に積むことは危険であるという見方が強まり、すぐに14系に電源車を付けたような24系が開発される。この24系が標準的なブルートレインという位置づけとなり、14系は影が薄くなってしまうのだ。

タイトル予定が、行き先が違う列車を併結する場合、14系の分散方式は有利なため(20系や24系ではそれぞれの編成に電源車が必要となる)、さくら(長崎/佐世保行き)、みずほ(熊本/長崎)、あかつき(長崎/佐世保)、いなば/紀伊(米子/紀伊勝浦)などは14系客車を使用していた。
富士もはやぶさも、単独の列車の時代は24系(25形)を使用していたが、2005年2月28日のブルートレイン大激減により、富士/はやぶさの併結となってからは14系を使用している。今日は6両+6両の12両編成だ。それぞれにA個室1両とB個室1両が連結されており、他は全て開放式のB寝台。食堂車はもうない。

デッキゴタクはこれくらいにして、車内に乗り込むことにする。やっぱり気分は個室ではなくて開放型B寝台車だ。(実はB個室が取れなかったというのもあるが)

廊下所謂海側が廊下になっていて、進行方向に対して横向きに寝ることになる。

廊下の椅子廊下に収納式の椅子がある。ちょっと休憩したりするのに便利なのだ。昔はここでタバコを吸っていた人が多かった。当然のことながら喫煙車でも寝台ではタバコを吸うことが出来ない。

寝台下段今日の宿はこんな感じ。2段式寝台の下段だ。
14系も登場時は3段式だった。3段式昼間は3人並んで座ることになるので、その境界線がついている。
3段式は、寝台内の高さが低く評判が悪かったので、多くは2段式に改良された。2段式なら寝返りを打っても頭上にだいぶん余裕があるし、ハンガーでジャケットを吊る高さもある。寝台幅も70cmあるのでゆったりしている。座り心地も寝心地もすこぶるいいのだ。
問題は安全性だろう。カーテンひとつしかない。昔はこれでよかったのかもしれないが、やはり現代ではツライところがあるだろう。

寝台上段これが上段。窓際のはしごで上に登る。登ってしまえばスペースは結構広いのだ。寝るだけなら何の不便もない。ビロビロに伸びた落下防止用の柵が哀愁を感じる。
各寝台には、下に敷くシーツと掛ける毛布(カバーつき)、浴衣一式とハンガーが付いてくる。これだけの設備を整えるのも大変なのだろう。

発車前ホーム発車時の東京駅のホーム。反対側は踊り子号185系の回送列車が品川方面に去っていく。

07d68867.jpg発車と同時にビール+焼き鳥。まだ六時過ぎだから夜は長い。でも東京を出て暫くは街中を走るので、夜とはいえ車窓の風景は楽しい。併走する京浜東北線の乗客や、ホームに佇む通勤客は顔をしかめながらこちらを見ているし、中には羨ましそうな顔をしているひともいるし。特に最初の停車駅の横浜駅では、対岸の上りホームから沢山のファンが写真撮影をしているのが印象的だった。

98dc66d0.jpg茅ヶ崎〜平塚あたりを通過する頃には既にビールは無くなり日本酒へ。横浜の次は熱海に停車。ここからはJR東海になるので、313系などJR東海の車両を多く目にすることになる。

そして三島駅。この列車は当然の如く三島には停まらない。が、新幹線は停まる。なのでホームに入って停車する新幹線を追い抜く格好になるのだ。しかも相手はひかり号。「ひかり号を追い抜くブルートレイン」という珍しいシーンを目の当たりにすることができて、酒が入っていたこともあって少しばかり興奮した(笑)。

鮭いくら寿司日本酒には寿司だろうと思って買った「東京駅限定」の鮭親子寿司。鮭といくらが昆布巻きになっている。これとうるめと雨後の月で夜は更けていった。

洗面所洗面所だ。蛇口をひねっている間だけ水(お湯)が出るタイプなので、両手をすり合わせて洗うことができない。
初代ブルートレイン20系では、冷暖房完備であることと、洗面所でお湯が出ることが画期的だった。それもあって「走るホテル」と言われたのだが。

冷水機懐かしい冷水機。まさか現役ではないだろうとボタンを押したら水が出た。横にはこれまた懐かしい折りたたみの紙コップ。以前は新幹線にも在来線の特急にも決まってこの冷水機と紙コップがあった。幾度と無く飲んだ。
この列車には食堂車も車内販売もない。とすれば水分くらいは供給しないと乗客の健康にも差し支えるだろう。そういうことから継続して運用しているのだろうと思った。

こうしているうちに、沼津、富士と停車し、静岡も過ぎた。9時過ぎて車内も暗くなったしお酒も無くなったし、寝ることにした。

翌朝は4時50分ころに起床。身支度をした。

連結部デッキ降りるに当たって考えた。東京駅で撮れなかったEF66の先頭部を写真に撮ろうと、広島駅では先頭部のドアから降りることにした。先頭部まで歩いていくと、連結部のドアの向こうにEF66が見えた。

連結部アップアップで撮るとこんな感じ。

広島駅到着5:21、広島駅1番線に到着。降りて先頭に走る。

EF66正面1番線の先頭は暗く、あまり良く写らなかった。

ヘッドマークヘッドライトの光を避けてヘッドマークだけ撮る作戦に。どうだろうか。これが限度かな。

編成発車間際の編成。やはり美しい。

後姿広島を後に、九州方面に向かって行った。これから戸田−富海あたりで朝の瀬戸内海を臨みながら走るのだな。そう考えると広島は損だ。

広島駅富士/はやぶさが去ってしまうと、ガラーンとしてしまう。次に発車する電車は、なんと可部線の始発なのだ。

c5b2d780.jpg可部線の始発に乗って家に帰る。帰り着いたころに白々と夜が明けてきた。
帰ってから2時間ばかしベッドで寝た。


今回、ブルートレインに乗るにあたって、色々持ち込んだグッズがある。

クーラーバッグ以前、備北に会社の同僚とキャンプに行った時、買い物に出た同僚にビールを買ってきてもらった。その時についてきたクーラーバッグだ。
夜行列車は室内が暖かい。なのでビールが直ぐに温くなってしまう。なのでこのクーラーバッグにカップアイスを入れて缶ビールを入れておけば、冷たいビールを飲むことが出来るのだ。これは今回お土産を持ち帰るのにも重宝した。

ウオームアップシーツモンベルのウオームアップシーツ。キャンプのシュラフ(寝袋)のインナーで、シュラフだけでは寒い時に使う。これに潜って毛布を掛ければ暖かいし、寝相が悪くて毛布がどこかに行っても安心だ。それに貴重品も一緒に潜れば、防犯上も安心なのだ。丸めてしまえばそんなに荷物にならない。これは持参して正解だった。

エコバッグパタゴニアのエコバッグ。以前、アシーズブリッジで、パタゴニアのインナーを買った時にノベルティでもらったものだ。これをひとつ持っていれば、色々買い物して袋が沢山になっても纏めることができる。結構容量があるのだ。

エコバッグ畳畳むとこんなに小さくなる。私生活にもキャンプにも欠かせない。


他にも携帯用の箸や三徳ナイフ、シェラカップも持っていったが、これらは使わなかった。


確かにこのダイヤでは早起きしなければならないし、疲れる旅ではあるのだけれど、また乗りたいと思ったのも事実だ。本もウオークマンも要らない。ブルートレインに乗って酒と肴があれば何も要らない。

あと1年でどれだけ乗れるだろうか。

kumadays at 22:23│Comments(6)TrackBack(0) 鉄道・鉄道模型 

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この記事へのコメント

1. Posted by aran   February 16, 2008 23:30
はじめまして。
7歳の息子がブルートレイン大好きです。
この記事を読んで聞かせてやろうと思います。
ものすごく羨ましがると思います(笑)
2. Posted by kuma   February 17, 2008 10:29
aranさん>
はじめまして。ご訪問ありがとうございます。
7歳のご子息さんが、ブルートレイン大好きですか! かわいい息子さんですね(笑)。でも、ブルートレインも無くなる傾向にあります。残念です。私めが小学生の頃、既に見ることが出来くなったSLに気持ちを馳せたのと似たような感じになるのでしょうか。
ちなみに、下松(山口県)以西の下りなら、寝台券無し(立席特急券)で乗れるんですが・・・。
3. Posted by aran   February 17, 2008 23:32
<下松(山口県)以西の下りなら、寝台券無し(立席特急券)で乗れるんですが・・・。
えっ!!そうなんですか!!
主人の実家が下松なのです!
主人も知らないかも!
スイマセン、詳しく教えて頂けませんか?
4. Posted by kuma   February 18, 2008 00:07
aranさん>
通常は寝台特急列車は、乗車券+特急券+寝台券が無いと乗れませんが、一部区間で寝台券無しで乗れる区間が設定されている場合があります。富士/はやぶさの場合、下りの下松〜熊本/大分の間が、乗車券+立席特急券で乗車できます。
この場合、座席の指定がありませんので、「立席特急券」という扱いで乗車できます。空いているB寝台車を座席として利用できます。
なので、比較的安価にブルートレインに乗車が出来るというわけです。下松発が朝6:45発なので、勿論、泊まるというわけにはいきませんが、乗る気分を味わうということであれば、例えば下松から新山口あたりまで乗れば、車窓の景色もいいでしょうし・・・。
5. Posted by aran   February 19, 2008 00:23
ありがとうございます〜
そうでした、時間が頭に入ってませんでした(^^ゞ
さりげなく、主人と息子に聞いてみます(笑)
6. Posted by kuma   February 19, 2008 08:49
aranさん>
そうなんです。
座席車が併結されていない寝台列車で夜を明かすには、寝台券が必要なんです。その前後の区間の特例というわけです。
先週の金曜は空席が結構ありましたよ。この先はどうなるか解りませんが。

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