ようやく大鬼谷のレポートを書き終えた。

今回はその帰りに遭遇したものがある。
これが虫の知らせになったのかな。

大鬼谷を後にして国道432号線を左折。疲れて冷え切った体を温めに「たかの温泉神之瀬の湯」に行くためだ。左折すると国道432号線は少し直線路が続く。昨日から降り続く雪で道路は圧雪路となっていた。
が、別に普通に走るには苦にならない道路だ。なぜならスタッドレスタイヤは、こういう圧雪路を走るに一番適するように作っているからだ。

しかし・・・、

なんと路肩に一台の車が突っ込んでいる。
どこにでも走っていそうな色の軽自動車だが、突っ込んで動けなくなっているようだ。山道ならイザ知らず、高野町の街中では珍しい光景だ。

どうやら若いカップルが困っているようだ。
とりあえず止まって車を降りた。

実は、その時に少し彼らの会話が聞こえたのだけど・・・、
「やっぱ格好が違うけんね」
「私らどこ行くのって感じよね」
きっと私めのことをネイティブの高野町民だと思っているのか。
残念ながら、ネイティブの高野町民の方はもっと薄着だ(笑)。

外に突っ立ってオロオロしている兄ちゃん風の男に声を掛けた。

k「どうしました・・・?」
男「いや・・・」

「いや・・・」じゃいだろう。力を貸してもいいつもりで車停めて降りてきたのだ。
とりあえず必死なところを見せろや・・・。

まあいい。

なんと、タイヤを見たら、バリバリのツルツルのノーマルタイヤだ。
しかも、トラックベースの軽自動車なので、困ったことにFR(後輪駆動)だ。
こんな装備で庄原の方から比和町経由でここまで上がってきたのか。良くここまで上がってきたものだ。感心するとともにゾッとした。

k「チェーンは持ってないの?」
男「ないです」
k「どこまで行くの?、それよりどっから来たの??」
男「・・・」

なんか要領を得ない。

車内の女性が口を開いた。女性は運転席に移っていた。

女「これ行ったらどこに行くんですか?」
k「真っ直ぐ行ったら三次、右に曲がったら島根。いずれにせよ山道だし、これでは行けないよ」
女「・・・・」
k「庄原の方から来たの??」
女「(男と顔を見合わせながら)はい」

窓も開けっ放しだし、寒そうにしている。
しかし、とにかく二人とも薄着だ。寝巻か部屋着のような服装で、コートすら持っていない。

とりあえず車を出すことにした。

良く見たら、除雪の壁に突っ込んでいるだけで、破損しているところもない。そのまま後ろに引っ張るか押せば何とかなりそうだ。リアバンパーの下にフックがあれば引っ張ろうと思ったがフックが無かった。

男と二人で前方から車を押すことにした。
k「ハンドル真っ直ぐにして!」
女「えっ?えっ?」
そんなことも解らんのか!ハンドル曲がってたら抵抗が大きいだろ!
でも、押しただけでは動かなかったので、バックでアクセルを踏んでもらったら出た。

とりあえず良かった。

その後、前進させて車を左に寄せさせた。

k「この先にスーパーやらガソリンスタンドがあるから、チェーンあるか聞いてみようか」
女「はい」

私めが先に新市の市街地方面へ。

一番最初のガソリンスタンドに飛び込んで聞いてみた。
k「あの、チェーンってありますか??」
G「(ビックリした様子で)いやあ、ありませんよ」
k「どっかで売ってそうなところは無いですかね??」
G「う〜ん、チェーンはどこにも無いと思いますよ」
 「あるとしたら・・・、この2件先のガソリンスタンドで聞かれたら如何ですか?」
k「ありがとうございました」

ガソリンスタンドから出ると、ノロノロと後ろからさっきの軽自動車がやってきた。

k「無いってよ。どこにも無いだろうって言ってたけど、この2件先のガソリンスタンドで聞いてみてって言ってたよ。」
男「ああ・・・」
女「どっちに行ったら帰れますか?」
k「どっちって?どこに帰るの??」
女「福山なんですけど・・・」
k「まっすぐ行っても三次に出るまで山道だし、来た道帰るのが一番いいよ。
気をつけて。」
女「ありがとうございました」
男「・・・(会釈)」

ようやくここでお礼。しかも女性の方から。

男〜! しっかりしろ!!

と思ったのでした。


考えてみたら、庄原〜高野の432号線は、何箇所か凍結しやすい場所はあるが、最大の難所である王居峠には地熱融雪システムがあるし、ノーマルタイヤでも何とか登ってこれてしまうかもしれない。

そして、王居トンネルを抜けたら高野町。

ぶらりとドライブに来たつもりが、
「トンネルを抜けたら雪国」だったと言う訳だ。
39圧雪路


広島県は県北部はかなり雪が降る。広島市内中心部や、ましてや更に雪が少ない福山にずっと留まっている方にしてみれば、高野町の気候は信じられないことなのだろう。広島県といえば全国的にも温暖な場所と思われている。が、広島市内に住んでいる私めからみても、雪は良く降るし温暖とは言えないと思う。
確かに広島市内中心部はあまり雪が降らないかもしれないが、広島市から外に出ようとすると、必ずと言っていいほど山を通ることになるから、その山で雪に遭遇することが多いのだ。広島に住んで各地に出掛ける生活をしていると、特にそう感じるのかもしれない。
特に県北部は豪雪地帯に指定されているほど雪が降るのだ。

広島市内中心部や福山などの瀬戸内側から動かずに生活が成り立っている方にしてみたら、広島県北部の豪雪地帯に対しては、目を瞑りたい部分なのかもしれない。
確かに考えてみたら、東京でも23区やその周辺に住む者にしてみたら、奥多摩の方に住んでいる方の生活なんて考えたこともない。「立川過ぎたら東京って言わないんだよ」とか言ってたりした覚えもある(失礼)。

閑話休題、で、あんな装備の車が登ってくれるということは、庄原経由なら雪が少ないということだ。
たかの温泉で体を暖め、ふじのやでケーキとパン(昼食)を買ってから、庄原に向けて車を走らせた。
狙い通り、一部凍結路はあったが、概ね快適な舗装路であった。
40乾燥路