fdfc6e69.jpgモクゾーさんのブログを読んで思い出した。
うちにはブラックジャックの文庫が全部ある。実家にはブラックシャックの単行本が全部(〜25巻)ある。
更に言うと、実家には手塚治虫の主だった漫画本が、今から15年程度前の当時に入手できた色々な形態で揃っている。
学生の頃、柄にも無く化学の勉強をしていた私めは、時間が長い実験の時は研究室に泊まりで実験などをしていた。と言っても大した内容ではなく、夜中に定期的に実験の進行の様子を眺めるだけだったのだけれど。
要は時間だけはタップリあったのだ。要領を得て慣れたら酒飲んだくれて眠ってしまったこともあったけど(笑)。

まあ、大学の実験室なんて毎年同じようなことの繰り返しだから、諸先輩方が残していった遺跡があったりする。
その中にブラックジャックの単行本があった。
これが読み始めたら止まらないのだ。
実は、小学校の頃、鉄道繋がりの友人K君の家にブラックジャックの単行本があって、殆ど読んでいたのだけれど、小学生の頭脳で読むのと大学生の頭脳で読むのは全く違う。

直ぐに虜になった。

どの話も印象に残っている。
本当に素晴らしい話ばかりなのだ。

中でも、特に背筋がゾクっとしたのが「魔女裁判」の回。
化学工場の後遺症に苦しむ母子の話だ。生まれつき障害を持った子供を生んだ母親は魔女と迫害され、ブラックジャックは障害を持った子供にメスを入れる。
いやいや、当時の研究室ではアスベストあり、発癌性物質のハロゲン化アルキルあり、普通に毒性があるメタノールは普通に嗅いで普通に触れて、金を溶かす王水をこぼし衣服を黄色に染め、骨肉を溶かすフッ酸も醤油や味醂のように扱っていた時だ。余談だけどガスバーナーで前髪から眉毛から全て燃やしたこともあったな。

そんな環境で読んだ話だ。
忘れる筈が無い。

その後、めでたく就職して、今の会社に入り、
入って間もなくサッカーで靭帯を切って入院。

(新入社員が入って直ぐに入院なんてけしからんと良く言われたよ)

しばらくして、とりあえず近くの本屋まで行けるように回復した。

そんなタイミングで発売になったブラックジャックの文庫本シリーズ。
全部買った。

BlogPaintしかし、しかし、どの巻を探しても「あの話」は載っていない。
「魔女裁判」の回は文庫本には採用されなかったのだ。
ああ、内容的に問題があったのかな。

その後、単行本を全て買い直したのは言うまでもない(笑)。
すっかり足が良くなってから、他の手塚作品も買いあさった。
職場が神田の方だったし、本を買うのはたやすい。

広島に転勤になり、結婚。
そのタイミングで、荷物が少ない文庫本のブラックジャックを全巻持って来た。本当は単行本全巻を持ってくるべきだったかな。

ブラックジャックは、手塚治虫の作品の中では、比較的後期に書かれたもので、登場人物も手塚漫画の集大成といった感じ。
やっぱり中でも安楽死の死神ドクターキリコが好きだな。
「おれも医者のはしくれだ。いのちが助かるにこしたことはないさ。」という台詞がいいな。

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