
夕方、カミさんと待ち合わせて中華街で夕食を食べる予定だったので、それまで横浜にある「原鉄道模型博物館」へ行ってみることにした。
原鉄道模型博物館とは、原信太郎さんが製作・所蔵した世界一ともいわれる膨大な鉄道模型と鉄道関係コレクションを一般に公開しているものと書いてあり、それだけだと「ふ〜ん」で終わってしまうが、見所は一番ゲージによるジオラマ(レイアウト)だという。一番ゲージは、軌間45mm・縮尺1/32の鉄道模型だ。日本で一番普及していると思われるNゲージは、軌間9mm・縮尺1/150だ。要は長さ方向で5倍、容積方向で125倍の大きさだ。
その世界に魅せられた者としては、一生に一度は見ておかなければなるまい。

横浜へは品川から京急(京浜急行)を選択。京急といえば赤い電車が有名だが、最近は青い電車も良く見かける。車内は転換クロスシートだ。関東で有料特急以外でクロスシートに乗れるのは、この京浜急行が代表的だ。(他、ボックスシートならば西武と東武の長距離ローカルなどがある)
ちょっと鉄ちゃん気分で進行方向右窓側を確保。

そう。京浜急行は鶴見を過ぎるとJR東海道本線と平行して走るのだ。京浜急行は東海道本線より海側を走っているから、京浜急行から見たら右側にJRが現れる。
なので右窓側というわけ。
海は左側だがこの区間海は殆ど見えないし、それならば右側の方が楽しい。
今回のお相手は横須賀線E217系。広軌で足腰が強靭な京急電車は、狭軌でしかも足回りが弱いE217系など問題無く抜いて行く。勿論、停車駅の多い京浜東北線などは相手にならない。
コレが京浜急行の醍醐味ですな。

あっちゅうまに横浜へ到着。

東口を下りて歩く。ランドマークタワーなどが見えて来る。

横浜三井ビル。

所謂高層オフィスビルのエントランスだ。

1階からエスカレータで登るようになっている。

おー、ちょっと夢がある。

登ってから券売機で入場券を買う。
入場券は記事冒頭の写真。

入って先ずはごあいさつ。
軽く書いてあるけれど、コレは凄いことです。

内部は清潔感にあふれている。

フラッシュ撮影、三脚/一脚などは禁止。
普通にカメラを向けて撮影するぶんには問題ない。

最初は完成車が並んでいる。
昔の箱根登山鉄道だ。

チケットにもなった阪神電車。

海外型も結構多いけど、

こういうのもある。
大阪市電。
その後広島電鉄でも走っているから、目にした方は多かろう。

中央線電車の前身となった甲武鉄道の電車。

いい感じですな。

これも阪神電車。

俗に金魚鉢と言われていた。

国産SLもある。

C59。この長い感じが好きだ。

C623。C622との名コンビは有名だ。

C53。3シリンダーの高性能機の筈が、整備しづらいと嫌われたのは有名。

C571。中型パシフィックの最高傑作。やまぐち号の先頭で今でも走ってますな。

D50。この後、国産蒸気機関車最高傑作のD51へと繋がって行く。

日本の電車。私鉄が多い。

こんな年表や、

こういう記事もある。

コレは昔の国産鉄道模型だ。

戦後の苦しい時期のものだから貴重だ。

16番ゲージのC57+オハ31系。

マスコンハンドルが並んでいる。
そして・・・、

どかーん。

コレはすごい。

単純なエンドレスがいくつかある構成だけれども、

やはり1番ゲージ。迫力満点だ。

細かい所も作り込んでいる。

楽しい出来事がありそう。

線路周りもとても実感的だ。
良く手入れや清掃もされている。

コレで見たら大きさの違いが解るだろう。
先ほども書いたけれども、日本で一番普及していると思われるNゲージは上から2番目。このジオラマは一番下の一番ゲージで作られている。大人と子どもどころか、人間とネズミくらいの大きさの違いがあるのだ。
かつて万世橋の交通博物館にあったジオラマは上から3番目のHOゲージ。本場ヨーロッパやアメリカではコチラが最も普及している。日本では16番ゲージとも言ってかつては主流だったし、細かい車両工作は今でもコチラが主流だ。
なのでNゲージのジオラマや16番のレイアウトは見かけるけれども、1番ゲージの本格的なレイアウトは初めてだ。

立体交差。
一つ一つのシーンにゾクゾクする。

山歩きする人々。
いやあ実は自分もこういうシーンを作りたかったのだけれど。

街並。

生活感がある。

そして駅。

駅舎の中まで人形を配している。

昼はこんな感じ。

日が暮れて来た。

昼〜夜を繰り返す。
いやあ参りました。

ここもいい感じの風景。
中央にロープウェイが行き交う。
凝ってますな。

海釣りをする人。

駅には日本型の電車が停泊している。

SLが駅に入って来る。

長大な貨物列車は迫力ありますな。

奥に観覧席があるので座ることにした。

そこからの景色も悪くない。

そして奥には運転台もある。

機関車にCCDカメラが仕込んであって、それを見ながら運転できるのだ。
こんなのが子供の頃にあったら、鼻血ものだっただろう。

既に予約でいっぱいだ。

運転台の目の前にある駅。
この駅にピッタリ停めるのだ。

カーブに作った駅だが、さもありなんな感じに作られている。このあたりの処理も非常に上手い。

裏は長ーいストレート。
いやあ堪能いたしました。

奥にもう一つレイアウトがある。
コレは横浜の風景を模したもの。16番ゲージ(HO)で作られている。
コチラは後から作られたのだろう。

昔の横浜駅(現桜木町)。

そしてコチラが今の桜木町駅を模している。
中線が無いとか、そういう細かい事は言わないこと。

桜木町駅を正面から。

いい感じですな。

右側は中華街。
右上には港の見える丘公園が作ってある。

中華街の街並。

京浜東北線電車だけだと思ったら、165系も走っていた。嬉しいですな。

昔の街並。
何気なく作っているが、とても上質でしっかりと作り込まれている。
サスガですな。
かつて鉄道模型を少しやった方は、我々の世代にも多い筈だ。
そういう方にも是非見て欲しいし、子供達にも鉄道や鉄道模型の楽しさを是非知って欲しい。
ゲームなどバーチャルの世界も楽しいかもしれないけれども、鉄道模型の良い所は精巧に作られた模型が実際に線路の上を走ることだ。そしたらキレイな景色の中を走らせたいと思うのが自然な流れだろう。
ココでは、その極致の一つを見ることが出来る。1000円という入場料は決して高くないと思う。
また行きたいな。
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