人はそこを聖地と呼ぶ。
いや、雪中キャンプは2度来たのだけれども、思い起こせば夏姿の聖地に来たことが無い。
今回のGWは9連休を頂けることになり、思い立った時には旗日は全て満室状態。その間の平日は予約できるようだ。
なので予約が可能だった4月30日〜5月3日の3泊4日でSnowpeak Headquartersへ行く事にした。なか日が2日あれば、それなりに充実した感じになるだろう。
例によって早朝から出発。
関越道は渋滞なしで6時半過ぎには谷川岳PAまで来れた。
ここでコーヒールンバを飲みながらゆっくり休憩。まだ先は長いので。
ジェットバッグを下ろしたパンダ号。
思えば夏のソロキャンプならジェットバッグは不要なので、ここ数年付けっ放しだったのを外してみた。やはり軽快に走る。ジェットバッグが受ける風の抵抗は思いの外大きいのかもしれない。
色々と回り道して9時前には聖地に到着。
チェックインして歩いてロケハン。
どこも結構な斜面だし、しかも今年は4月から異常な暑さだ。
日中は暑くなることが予想される。
だいたいメボシを付けてから車で入場。
Dエリアの一番奥はゴルフ場に隣接していて静かそうだ。
ゴルフ場との境目の縁のようなところ。
ココにいい感じで平らな日影があったので決定。
まあゴルフボールが飛んで来たら運の尽き。
まさかわざと打ち込まなければ届かないだろう。
カートで回っている一行の方々。
高見の見物はなかなか面白かったりする。
緑が目に優しいし。
設営完了。
今回もソロテント+ペンタの組み合わせ。
1人で使うには贅沢な空間ではある。
アライテントの緑とポンタの濃ベージュがナカナカいい具合に調和しているではないですか。
スノーピークさん、ベージュの色変更はこういう意図があったのですか。
メインの通りからも離れていていい感じ。
車から荷物を運ぶのも乗鞍高原一ノ瀬を考えれば、どうということはない。
正面も緑の芝生が広がる。
パンダ号も今日は日影を確保。
この駐車スペースも緑のロープが地面に打って駐車場の範囲を記してあるだけで、完全な自由競争だ。なので、どこかへ行って帰ってきたら他の方が停めていたなんてこともあり得るだろう。そこで文句を言うのは筋違いだ。ココでは全てが自由競争なのだから。
場所を取られたく無ければ、何か物かカラーコーンでも置いておくしか無いだろう。ちなみにカラーコーンはホームセンターで簡単に入手出来るが、何しろ風に弱いのでご注意を。
ということでベーコンの準備。
今回も賛否両論のピチッとシートを利用。
こちらはバラ肉。
それと、肉屋に肩ロースのブロックが無かったので、かた肉のブロックを。
あまり出ないのか安くしてくれた。
スモーカーに吊るす。最初は自然乾燥でその後は温度を上げて乾燥。
実は温度を上げるのに炭を使ったら、スモーカーの中が煤けて真っ黒になってしまった。
せっかく家でマジックリンで洗って来たのだが。
そうしながら昼飯。
いつもカレーなんだけれども今回はノーマルで。
外で食べるカップヌードルは爆発的にうまい。
また家で沸かして山専ボトルに詰めて来た「沸騰から少し冷めたくらいのお湯」で心持ち長めの時間で作ると、硬さも温度もちょうどいい感じになって、最初から小池さん状態で食べることが出来る。
スモーカーを放置して日帰り温泉へ。
最も近いと思われる「いい湯らてい」へ。
戻ると雲が出ていた。
もう車は使わないのでプシュ。
頂きまーす。
洗い物をしていたらナイフで指を少し切ってしまった。
やはり最低限の救急セットは必要ですな。
そしてベーコン。こちらはバラ肉。
いい色づき。りんごの花の季節なのでりんごのスモークウッドを主に使った。
カタロースでなく、安いかた肉でも充分美味しく出来た。
まさにショルダーベーコンだ。
ここのところ塩抜きが過ぎる傾向にあったので、少し塩抜き時間を少なめにしたら、今度は少し塩っぱくなってしまった。
やはり奥が深いのがベーコンなのです。
夜はすき焼き。
キャンプではどうしても肉リッチになってしまうので、食べれる時には野菜を大量に頂きます。
夜も更けてまいりました。今回は白ガスランタンは無しでハーマンニャーのみ。
1人焚き火がソロキャンプの最大の楽しみ。
翌朝。
9度。結構涼しい。
都内とかに住んでると冬物は片付けてしまう季節なのだけれど、この季節のキャンプは暖かい上着なども持って行った方が良いのです。
サイトを離れて少し散歩。
そして焚き火。
東の方が明るくなって来た。
おお、
平行して朝食の支度ちう。
本当はですね。白いご飯を炊くつもりだったのです。
が、持ってきたお米にクーラーボックスの水が染みてしまい少し白くふやけてしまっていたのです。そこで真っ白なご飯は美味しく炊けないと思い、手持ちの鯖缶を使って炊き込みご飯を作りました。
狙いは当たり。しかもメチャクチャ美味しいし。
更に、実は今日2日目は山に行こうと思っていたのでした。「いい湯らてい」の奥から登れる粟ヶ岳という山に狙いを定めていた。
しかしまだ残雪がありそうなのとひたすら急登で2時間半から3時間くらい。ここのところガチ登山をしていないのでかなりの苦行になることが予測される。それに今年は例年になく暑いことから潔く諦めた。
そして本来3日目に予定していたセカンドプランである寺泊へ行く事にした。
8:30頃に寺泊到着。
Headquartesから真っ直ぐ走って約1時間強だ。7時から車を動かせるから、途中コンビニ寄ってコーヒー飲んでこの時間だ。観光地らしく大きな駐車場がある。
寺泊魚の市場通り。
魚のアメ横という別名があるが、上野〜御徒町の本家アメ横に比べたら規模は比べようがない。
何軒か観光客向けの魚屋さんが並んでいる。
道の反対側が海だったら気分が出るが、反対側は駐車場でその向こうも林があってから海岸なので、海は全く見えない。
朝、鯖缶の炊き込みご飯を食べて、腹がパンパンだったりする。
でも、一杯100円のカニ汁くらい入る隙間はある。
他に浜焼きとかいっぱいあるので、そちらが目当ての方は腹を空かして来ることだ。
とりあえず、それらしいものをゲト。
刺身とエンガワのセットだ。早く来ると良いものがある。
ムキフグもお味噌汁用に購入。
魚たちが氷の上でゴロゴロー、ゴロゴロー。
パックの魚も売っている。
しかし丸の魚もパックの魚も、地のものばかりではない。
せっかく寺泊まで来たのだ、寺泊かせめて近隣で水揚げされた魚が食べたいものだ。
新潟まで来て千葉県産の魚なんぞ食べたくないわ。
目的地は弥彦山頂。
弥彦線が麓まで通っているから存在は知っていたが、弥彦山に来るのは初めてだ。
車でここまで来ることができる。
周辺の観光地図。
そして駐車場から更に上へ登るアイテムが。
それなりの額がするのね。
・・・と躊躇していたら観光バスの団体さんが押し寄せて我先にとチケットを買い始めた。
登らないで正解だと思った。
帰りに「さくらの湯」で入浴。
今時の日帰り温泉っぽい内装ながら、とても清潔で穏やかで良いお湯でした。
帰りの球場で、なんと阪神対ヤクルトの試合の表示が。
ファームの試合のようだが、思えばファームはウエスタン・イースタンなので、阪神ーヤクルトの組み合わせは実現しないから貴重かも。
聖地に戻って昼食。
朝の炊き込みご飯の残りと、買ってきたムキフグで味噌汁。
野菜も食べないとねとパセリ。
木漏れ日が気持ちいい。
平日になりだいぶ人が少なくなった。
そしてお刺身の準備。
東京で買って持ってきた本わさびと、家から持ってきた鮫皮おろし。
寺泊での戦利品を頂きます!
ヒラメの刺身/エンガワと、ホウボウの刺身も追加した。
馬刺しや川魚は刺身で食べたことはあったが、海の刺身をキャンプで食べるのは初めてだ。
火も使わないし、少し移動。
気持ちいいですわー
座るとこんな感じ。牧歌的風景が広がる。
まあ元は牧場用に整備された土地らしいし。
聖地用の超高級炭。
戦利品その2。
サザエと岩牡蠣。文句なしにうまいす。
陽が暮れてきた。
ゴルフ場の彼方に陽が沈む。
残ったエンガワに粉をはたいてスキレットで焼く。
まあ、何してもウマイですな。
隣のお湯は燗酒製造機。ここに酒たんぽ(チロリ)を漬ければ、いつでも燗酒の出来上がり。
この後は焚き火。夜は更けていった。
3日目の朝も朝日を拝む事が出来た。
若干気温が高めかな。
お米を買ってきて念願の白飯を炊きましたです。
そしてまたムキフグの味噌汁。
焚き火。
余ったごはんはラップで。
天気予報は3日目の午後から4日目にかけて雨。
今、撤収して帰るという事も頭よぎったが、まあ帰って連休後半に干せばいいだろうということで残留決定。
燕市内まで出て牛肉を買って、日帰り温泉へ。
道の駅国上に併設のてまりの湯。
実は昨日行ったさくらの湯とはあまり離れていない。
さくらの湯は弥彦村、手まりの湯は燕市だ。なんか仲悪いのかな。
悪いけど、設備・泉質・コスパ全ての面でさくらの湯に軍配。
燕市ならでは!
お昼は友人が勧めてくれたラーメン屋さん、酒麺亭潤へ。
何店舗か支店を出しており、東京も出店されている。
背脂は新潟の証。
見た目よりスッキリしていて、なかなか美味しいラーメンだった。
新潟だけにご飯も美味しい。
新潟県はどこを走っても水田に出会う。我々の食を支えて頂いているのだ。
感謝。
なので広いところに椅子を出してとりあえず一杯。
おつまみは初日のベーコンの副産物であるスモークナッツ。
スキレット(100スキ)に小松菜を入れておけば、簡単におつまみ出来上がり。
その横で買ってきた肉(タン)を焼く。
そして肉。やはり何だかんだで肉は正義なのだ(笑)。
その後段々と雨が降ってきて、ポンタの下に避難。
焚き火も出来そうにないし、焼肉を食べながらボチボチ片付けも開始。
翌朝もガッツリ雨。
昨晩のうちに準備しておいた朝食。
お湯は昨晩のうちに沸かしておけば、朝に火器を使う必要が無い。
なので、朝起きてシュラフ類を畳んで、昨日やりかけの火器と食器の片付けをして、それから朝食となる。
おにぎりには昨晩の肉をニンニク醤油に漬けて仕込んだ。あと残ったトマトを丸かじり。お湯で汁物を作って飲む。
満足度も高く栄養バランスもそこそこ。
そして何より冷たい雨の中、身体も温まるいい朝食になった。
3泊したテントの跡がついている。
最後の道具たち。これらを車に積めば撤収完了だ。
しかしまだ8時前だ。チェックアウトは9時以降だ。しかも連休初日だから9時はチェックインの方もいるだろう。あの受付がパニックになるのは目に見えている。
とりあえずサイトを後にする。
出口に向かうために必ず通らなければならないゴルフ場脇の急勾配の砂利道。途中で止まったら発進できないレベルだ。毎回勢いをつけて一気登りつめる。
せめてココだけでも舗装出来ないものかなぁ。
まだ8時前だというのに。
この雨の中、聖地の受付前には既に行列ができていた。
三条市内でお昼を食べて帰路に。
トンネルを超えた谷川岳で雨は止み、そこから下に下りる度に気温がグングン上昇。
新潟では10度ちょっとだったのが、上里のサービスエリアではなんと27度。着てる上着全て脱ぎまして、なんと何年ぶりかにアイスコーヒーを買って飲んだ。いやあ暑かった。
夏姿の聖地は初めて訪れた。やはりココは設営場所につきる。いい場所に設営できれば楽しいキャンプライフが待っているし、そうで無いところに設営したら、寝るときに偏ったり、ご自慢のテーブルや椅子が上手く機能しなかったりもするだろう。これに関しては全て
完全自由競争の世界だ。なので連休初日ともなれば早朝から受付が長蛇の列となってしまう。そしていい場所をゲトするとなると、それなりに経験も必要だ。なるほどリピーターが増えるわけだ。
もう一つ驚いたのは、思いの外「お一人様キャンパー」が多いことだ。平日とはいえ5月連休のかかり、ソロキャンプの方は少ないだろうと思ったのだが。ようやくここ最近、ソロキャンプが市民権を得たということなのだろう。
ちなみにこの聖地は、夏はとんでもない暑さになるだろう。酔狂な方以外は良く考えた方が良いと思う。
すると雪が融けて梅雨に入る前の期間と、涼しくなる10月中旬以降がシーズンということになるか。
そう考えると冬の雪中キャンプというのは、ひとつ最適期なのかもしれない。
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