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※おことわり。本記事は2021年3月に書いていますが、新型コロナウィルス関連の緊急事態宣言発令〜解除後である2020年8月9日からの出来事をまとめたものです。現在とは状況が異なる部分がある事をご了承ください。

つづきから〜

2020年8月9日5:38 小梨平から涸沢へ出発。涸沢へ行くのは一昨年以来だ。本当は5時前には出たかった。5時さわんど始発のバスから来られる方々を大きくリードしてスタートしたかったのだけれども、いやいや荷物のパッキングに予想外の時間が掛かってしまった。詰めては減らし詰めては減らし。このあたりは家でシュミレーションしなくてはダメですな。朝食は4時前にテントの中でカップヌードルを頂いた。

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管理棟の間を通って出掛ける。
なのでという訳では無いが、事件(後述)には全く気づかず出かけてしまった。

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6:13 明神へ到着。いいペース。
それにしても人が少ない。

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なんとか70Lのザックに詰め込んだ荷物。夏場のテント泊ならば、本当は左右につけたグレーのエクステンションパック無しで詰めなくてはいけないはずだ。この辺りまだまだ改善の余地があるのだろう。
パラパラと雨が降ってきていた。雨具は防寒具を兼ねて着ていたのでザックカバーを被せて6:30頃に出発。

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7:20頃、徳澤に着く頃にはもうザーザー降りの大雨。

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元々水分を補給しようと思っていた水場は雨宿りする方でいっぱい。
いやこれは酷い雨だ。

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こういう風が無い平地では傘があると役に立つ。
荷物は増えるが小型軽量の傘があると便利だ。

7:30を過ぎたら雨が弱くなったので出発。

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途中雨が上がった。
雨具を取る方も目立ったが、身体も冷え気味だし雨具はそのままで横尾を目指す。

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8:30頃横尾に到着。
計画では8時前に横尾に着く予定だったのでだいぶ遅れてしまった。

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人は相変わらず少ないが、人の増え具合からして、始発のバスの速い方々に追いつかれているとなんとなく実感する。
そして食堂はコロナ禍もあってか営業していない。残念。

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この先は段々と山道となる。水分の補給とアミノ酸サプリを確認。
しかしココまでの雨騒動でだいぶ時間と体力を消耗してしまった。

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さてと、そろそろ行きますか。
雨は上がったけど、身体は冷え気味なのでとりあえず雨具は装着したまま。

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9:14に横尾大橋を渡る。

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天気は好転しそうだ。

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10:30頃、本谷橋に到着。かなりペースが落ちて来た。

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ザックを下ろしてしっかり休憩。
いやぁ、かなり疲れている。ココから暫く急坂が続くのに。
雨具を全て外して11:15頃に出発。

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本谷橋を過ぎると一番辛い急登なのだが、そこですっかりバテてしまった。
急坂が少し緩やかになるあたりのこの景色が見える岩に、どっかり座って休憩。

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12:20。ポケットの中にキャラメルが。おお。
これを食べたら少し元気になった。糖分が頭から身体に巡るのが実感できた。
すなわちこれはシャリバテだ。朝のカップラーメンからしっかりとしたものを食べてない。徳澤の大雨から横尾の食堂閉店で何も食べなかったのだ。昼過ぎに涸沢に着くだろうと思って食事をもたずに歩いたこと後悔。

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なんとかキャラメルとチョコレートで糖分を補って歩き出す。

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12:50頃。当初の予定では涸沢に着いていておかしく無い時刻だが、まだココだ。

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陽がさしていないことが幸いだった。

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ホント休み休みの道中。
皆さん抜いて行かれる方も優しい言葉を掛けてくれる。
ありがたいしその方々も途中で休まれるから、なんかお知り合いが多くなった。

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14:05。川沿いにでた。癒される。

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振り返るといい景色なんですわ。

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14:53。ようやく涸沢ヒュッテへ到着。
いやあ。お疲れ様でした。

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感慨に耽ってる場合では無い。
設営場所を探さないと。

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なんとなくテントが張れそうな場所を見つけた。
遠くから見ると石だらけだが、探せばソロテントな空間は結構ある。
ここなら!
とコンパネを借りずに張ることにした。

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ソロテント、あっという間に設営完了。
テント内にはキャラバンAPテントマット(薄手で硬めのマット)+サーマレスト(インフレーターマット)で、多少の起伏があっても快適に過ごせる。

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いやあいい感じだ。
先人の皆様へ感謝。

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とにかくこの一員になれたのだ。


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感慨もひとしお。

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受け付けを済ませて売店へ。
受付も売店もマスク着用や並ぶ列も指定するなど感染対策が取られている。

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もうね。お腹空き過ぎで、
牛丼とおでん。
それとルービー。補充用の缶ビーも増備。

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名物の手作りおでんは売り切れでレトルトのおでんだったが、充分というか、かなり美味しく頂きました。

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いやあ。

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たまりませんな。

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もう1本買ってテントで一杯。

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サンダル持って来て良かった。足がパンパンだ。

ココで携帯を見て気がついた。
いや松本市内から着信と留守電がある。なんだろ。
「こちら小梨平キャンプ場です。キャンプ場が熊の騒動の影響で閉鎖になりました。一度お電話下さい」
そんな内容だったと思う。

まじか。

電話すると、熊がキャンプ中の宿泊客を襲い怪我をされた方がいらっしゃるとのこと。命には別状ないが、地上波含め全国的なニュースとなっているらしい。それは知らなんだ。
※被害に遭われた方お見舞い申し上げます。

キャンプ場は閉鎖。宿泊客の方にも退場してもらっているとこと。我がステイシーネストは警察立ち会いのもと撤収してリアカーに積んであるらしい。
「今どこにいらっしゃいますか」とのことで「涸沢です」と伝え(その瞬間は嘉門達夫の「チーズバーガーひとつ」と同じ系統の声を出した)、戻りは明後日になること。そしてその後は森のリゾート小梨の建物(ケビン)が空いていたら泊まりたい意向を伝えた。幸いにも空いているそうだ。
いずれにせよ足もパンパンだから降りるのもしんどいし、明日はもう少し行けるところまで上へ行きたいし、でも何より大変な中小梨平の皆様にご迷惑をお掛けすることになるし、しかしこの大量の荷物を一人で車まで運ぶのには時間と労力も要することになるので態勢を整えたいなど、色々な事が頭の中を巡り矛盾を抱えながらお話しした。
電話口で対応して頂いた方も親身になって話を聞いて下さり、こちらの意図は充分汲み取って頂けたと思う。

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気を取り直して明日のためにお湯を沸かす。
山専ボトルに入れておけば朝食用のお湯には充分だ。

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トイレに行くとテントが立ち並んでキレイなんですわ。

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暗くなってくると更にいい感じだ。
これでもネットで上がっている写真に比べたらだいぶテントが少ない。

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テントからはこんな感じ。だいぶ隙間がある。
筋肉痛をかかえながら20:00頃には就寝。

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8月10日朝5:00頃。雲が掛かっている。
名物モルゲンロードには程遠い。

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6:19。朝食はマジックライスに生玉子と醤油入れてTKG。
フリーズドライ味噌汁も頂きます。

どうしよう。天候が微妙だ。

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ヘルメットも持って来たことだし、とりあえず出発して、無理そうなら涸沢付近を周回してから昼から飲んだくれよう。
ヘルメットはレンタルもあるけど、中高年の方の登山やスキーにはヘルメット携行を推奨したい。

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とりあえず7:40頃にテント場のパトロールの方の横の入り口の尋問を通過。ヘルメット持っているかチェックされる。天気は好転するとか?
表示通りにズンズンと進む。パノラマコースだ。

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下から見上げていた涸沢小屋が見える。
結構登っている。

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7:55。でかい岩。

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ズンズン登る。

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8:23、見晴岩で休憩。だいぶ登ったぞ。

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涸沢では見上げていた雪渓の横に出た。

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望遠で涸沢を。

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まだ登る。

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キレイな花。

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景色や天候は都度変わる。

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ん?

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8:51。涸沢小屋方面からの道と合流する。

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ココからは涸沢小屋やテント場が見えない。

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大きく斜面をトラバースする形で登る。

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大きな岩。

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チョイと押したら動きそうで怖かった。

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まだまだ歩く。

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振り返ると晴れ間も出ている。
いいぞ。

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だんだん奥穂高岳も見えて来たか。

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行く方向も晴れ間が出て来た。

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涸沢がだいぶ下に見えて来た。

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写真中央の辺りを登るとサイデングラードの入り口だ。

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9:35。一休み。

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引き返すか登るかどうかはココでの判断になる。休んでいたら慣れた感じの親子連れの方に声を掛けられたので、この先はしんどいかどうか聴いてみた。ココからは岩登りになるのでキツさの質が違うとのこと。そして頭のてっぺんから足先まで舐めるように見られて「ココまで来られたんなら大丈夫じゃ無いですか。せっかくだし行かれたらどうですか」とのこと。すっかり見透かされた感満載だったが嫌な感じはしなかった。ココからはストックは使わない方が良いなどアドバイスを頂いた。ありがたい。

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少し休んで出発。ココから先は四つ足三点支持による歩行の機会も多くなる。

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登っては振り返るの繰り返し。

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涸沢が見えると気分が良い。

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遠くの山々も見えて来た。

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いやあ、大変だわ。

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そして登ったら振り返る。

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左に奥穂高岳が見えてくる。

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鎖場もいくつかある。
慎重に行かないと。

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だいぶ上まで来たぞ。

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北穂高岳方面。

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いやまだまだ道は遠い。

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広角で涸沢方面を。

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まだまだ先は遠い。

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涸沢もだいぶ小さくなった。

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まだか。

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登って振り返って休憩の繰り返し。

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奥穂高岳方面も晴れて来た。

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いやあキレイだ。

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太陽が照りつける。

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11:38。おお小屋が見える。この辺りから階段となるが足がなかなか上がらない。

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11:45。穂高岳山荘へ到着。


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おお。

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涸沢も見える。確かに涸沢からも見える。

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山荘でカレーを頂くことにした。一応アルファ米の袋ごはんとお湯は背負って来たのだが、お湯を入れて出来上がるのを待つよりも食べてしまった方が良いという判断。おいしかった。

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食べ終わったらヘリコプターが来るので避難してほしいとアナウンス。

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おお、降りて来た。


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物資をおろし

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空荷+廃棄物につなぎ変える。

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あっという間に飛んでいった。

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12:30頃、奥穂高岳山頂を目指して出発。出だしは鎖場+梯子なので注意すべし。

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登ったところで再びヘリコプターがやって来たので休憩兼ねて見物。

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上から見るとこんな感じなのだ。

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お疲れ様です。

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振り返るとだいぶ登って来たことがわかる。

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この辺りからも涸沢が見える。

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いやあ。

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先を急ぐ。

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道中の景色に見惚れる。

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まだ涸沢が見える。

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この後急に天候が悪くなって来た。雨具を装着。

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お、あれが山頂か。

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13:35。山頂へ到着。
いやあ感無量だ。

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道中で知り合った方に写真を撮って頂いた。
感謝。
皆でお互い写真を撮りあった。
周囲は真っ白で景色は見えなかったが山頂まで来れてよかった。
何せこの界隈の最高峰だ。気分がいい。

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13:50頃から下山。

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下りも急なので慎重に。
だんだんと天候が好転して来たのはラッキーだった。

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段々と涸沢が大きくなっていく。

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山頂方面は天気悪いのだな。
しかしもう脚がガタガタだ。スピードが出せない。
ストックついてゆっくりゆっくり下りる。

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18:04。涸沢へ到着。おつかれさまでした。
売店は18:00まで。残念ながら食べものは買えなかったがビールは買うことができた。

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テントに戻っておつかれちゃん。

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プチ夕焼けがキレイだ。

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ふー。

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あっという間にプチマジックタイムは終了。

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夕食もカレー。フリーズドライ品だ。
最高においしかった。

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夜は星が出て来た。

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夜のテント場。20:00過ぎなので消灯されている方も多いけど、それにしても少ない。

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8月11日朝。4:26。
段々と東の方が明るくなって来た。

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4:40。雲が取れて来た。

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4:55、いやあキレイだ。

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少しだけ明るくなった。

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5:00。いやあ。

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これは。

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モルゲンロードだ。

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コーヒーを頂く。

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素晴らしい。

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段々と色が変わっていく。

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5:10には終了。

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5:40、撤収完了。

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そこから朝食。
尾西のわかめごはん。
同社の袋ごはん類の中でも出色のうまさだ。

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6:04。朝日が登って来た。

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明るくなってきた。

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片付けも終了。もう一度トイレ行っておくか。

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6:43、下山開始。
脚もボロボロなのでゆっくり下る。

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8:00頃、ガレ場。

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8:10頃、行きにキャラメルを食べた地点。

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緑がキレイだ。

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9:00頃、本谷橋。ふー。休憩。

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10:20頃、岩小屋跡。ココまで来ればあとは概ね平坦だ。

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10:45頃、横尾大橋へ到着。

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いやあ。

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横尾まで戻って来たぞ。

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早めの昼食。食堂は営業していないがカップヌードル(お湯付き)とパンは売っていた。
行きにこれをすれば良かったのだ。

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これが美味いのだ。

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避難情報マップ。

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徳澤までの道。

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13:10頃、徳澤へ到着。休憩。

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小梨平から移ってこられた方も多いのでは無いか。

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14:30頃、明神へ到着。
いやあ疲れた。休憩。

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15:00頃に小梨平へ向けて出発。
なんとか常識的な時間に着けそうだ。

つづく